2006.04.24(月)
東京都・神津島 AM6:00 曇りのち晴れ 20℃ 暖かい


朝5時にセットした目覚ましが鳴る。眠気を我慢しながら採集の身支度を進める。
早朝5時30分に部屋を出ると、ミヤマ☆仮面氏はすでに準備万端だった。流石に昨日が消化不良気味の採集だったので、神津島遠征最終日となる今日は一番気合が入っている様であった。

外は明るくなっているが、天気予報どおりと言う訳には行かず、雨は降っていないものの雲は残っていて不安になる。それでも林道へ向かう。

早朝の神津島
早朝の神津島



林道到着後、早速探索を開始する。今日は最終日ということもあって午前中しか時間が無い。少しの時間も無駄にしたくないので、今日の為に温存していた力を全て解放していく。ミヤマ☆仮面氏もいつに無く早足になっている。

林道を歩くミヤマ☆仮面氏
林道を歩くミヤマ☆仮面氏


2時間ほど探索したが、成果は出なかった。「ホテル神津館」での朝食の時間が迫ってきたので、一度宿に戻り“仕切り直し”をする事にした。





朝食を平らげた後、再び山に入る。そしてルッキングを続けていく。
・・・林道でふと近くの樹を見上げると「オオバヤシャブシ」だった。神津島では村の中も含めて多く見かける樹である。夏場はこれにイズミヤマも集まる様である。この時期は何も居るはず無いが、何となくルッキングしてしまった・・・。

オオバヤシャブシ
オオバヤシャブシ



林道を歩いていると、ミヤマ☆仮面氏は「山は気持ち良いですね!」と言う。空気も澄んでいて気温もほど良い所なので、深呼吸すると本当に清々しい。空を見上げると曇りだった空に太陽が覗きはじめた。

晴れ間も出てきた!
晴れ間も出てきた!



そして今まで灰色だった海の色も蒼色に変わってきた。気温も上がりだし、状況としてはどんどん良くなっている!

海が蒼くなってきた!
海が蒼くなってきた!



太陽が出てきた事で路面も乾いてきた。条件としてはかなり良いはずなので、あとはミクラミヤマが発生するかどうかになる。
更に気温は上がり、気が付くと路上には多くの羽虫が出始めた。普段大量の羽虫を見ても良い気分はしないが、状況から見ると“虫にとっては好条件!”と言えるので、ポジティブに探索を続けていく。

明るくなってきた林道
明るくなってきた林道



すると今までずっと石の陰に隠れていた、カナヘビやオカダトカゲも路面に姿を現し始めた。今回の神津島遠征で“一番の好条件”と言えるだろう。
・・・あとはミクラミヤマさえ出てくれば文句なしである!

生物も活発に動き始める
生物も活発に動き始める



どんどん気温も上がり、少し動いただけでも汗ばむほどになってきた。風は強いものの“今出て来なければいつ出てくるんだ?”という状況である。
・・・残り時間の関係で時計を気にし始める。

条件は良いはず・・・
条件は良いはず・・・



飛行場集合は12時となっている。その為には山を11時30分には降りないと、諸々の手続きが間に合わない。焦ると共に諦めムードも出始めた。

採集条件から見ても、これ以上の好条件は無い。
・・・しかし、時計を見ると11時20分。残り時間も10分と無い。

何故かこのタイミングで、話題は“プロレスの神様”と呼ばれる、カールゴッチ氏の話になった。私は何故その話題をミヤマ☆仮面氏に振ったか分からないが、“神津島は神々の住む島”という所から、何か神に頼りたいという気持ちがあったのかも知れない。
・・・ちなみに、ミヤマ☆仮面氏はUWF時代にゴッチ氏と食事をした事があり、その時にゴッチ氏に付けられたあだ名は“Flash”だと言う。


“全ての神津島日程”終了まであと僅か。リングアナの「残り時間、あと5分!」という言葉がリアルに聞こえてきそうな状況下、雰囲気的にプロレスファンであれば、どうみてみても“時間切れ”という空気が流れた。


ミヤマ☆仮面氏は「ミクラミヤマの住む島に来れただけでも良かった!」と完全に諦め状態になっている。しかし私はどうしても諦めたくはなかった。
“プロレスラーとは奇跡の超人”・・・残り時間はもう無い!それでも最後の最後までその奇跡を信じ、林道を目を皿の様にしてミクラミヤマを探したかった。



しかし、ミクラミヤマの生息地と思われる林道の終わりが見えてきた。・・・いよいよタイムアップか。



・・・と、思ったその瞬間、道端に黒い物体がうごめいている!




そこにひっくり返ったミクラミヤマ♂の姿があった!!



私は思わず「やった〜!」とガッツポーズ!ミヤマ☆仮面氏も慌ててその状況を確認する。
この瞬間“ベルト奪取 ”したかの様な大騒ぎとなった!!ミヤマ☆仮面氏と歓喜の中、握手をする。時刻は11時27分。まさに奇跡的な確認となった。

ベルト奪取!!
ベルト奪取!!



ミヤマ☆仮面氏と共に興奮しながら撮影する。見つけた状態である“ひっくり返った”状態を撮影後、起き上がらせて上から撮影する。

起き上がらせて撮影
起き上がらせて撮影



大喜びのミヤマ☆仮面氏。この状況下であれば誰もが感動を覚えるであろう。
それにしても、私は今までこんな劇的なラストを迎えた事が無い!“デビュー戦でいきなりタイトル奪取”と言っても過言ではない。
・・・神津島は本当に神の住む島だと信じたくなった。

ガッツポーズ!!
ガッツポーズ!!





ミクラミヤマ確認で大喜びの中、飛行機の時間は刻々と迫っていた。我に返り時計を見ると11時40分。・・・すぐにレンタバイク屋に戻り返却後、神津ストアで昼食用の弁当を買い込み神津島空港に向かう。それでも神津島自体はそれほど大きくない島なので、12時前には充分間に合った。受付終了後、買い込んだ弁当を平らげる。

神津島空港
神津島空港



調布空港行きの飛行機「ドルニエ機」も問題なく離陸。ふと窓の外に見える神津島を眺める。海も蒼く本当に美しい島だと感じる。この美しい島がいつまでも美しいままでいて欲しいと、ミヤマ☆仮面氏と共に強く感じた。今回は4月の後半に差し掛かった時期だったので、ミクラミヤマが発生しているか微妙ではあったが、何とかミクラミヤマ♂×1頭を確認できた事が本当に良かった。

美しい神津島!
美しい神津島!





結果として残り時間3分でミクラミヤマを確認するという、劇的なエンディングを迎える事ができた。そしてそれは同時に“神津島の神々”からミヤマ☆仮面氏への祝辞とも取れる内容であったと感じる。・・・ミヤマ☆仮面氏にとって単なる1頭確認ではない“確かな手応え”を掴んだ瞬間であった。

神津島の神から祝福されたミヤマ☆仮面の旅は、こうしてプロローグを迎えた。


本日の採集成績ミクラミヤマ♂×1

採集記作成ミヤマ仮面“へっぽこ”(ミヤマ☆仮面のパートナー)


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